非線形回帰分析 - 20

まとめ

非線形回帰の各パラメータの推定

最初のページにも記しましたように,

1. 何らかの方法(エクセルのソルバー,R,Ky-plotなど)で,各パラメータの推定値を推定する

2. 推定した際の,実際のデータと推定量との差分の二乗和,残差平方和,Se,を計算する

3. 平方平均(Ve, 分散値)を計算する(分散値=残差平方和÷自由度自由度は(データ数ーパラメータ数)

4. 残差平方和+分散値を計算する(Se+Ve)

5. 推定したいパラメータをδだけずらして,その値を使って(変数としてではなく)ソルバーなどで残りのパラメータを推定する

6. その際の残差平方和,S,を計算して,S = Se+nδ2 = Se+Ve,となるδがSE(近似標準誤差)となる

ということになりそうです.

最小2乗法,最尤法(芳賀敏郎)でも,同様の計算手法が用いられています.

 

ただ....どうも,実際のソフトで行われている計算方法はこれと異なり,

 行列

を用いているようです.

 jmp

 非線形回帰分析の基礎と応用(高橋行雄)

 第2期医薬安全性研究会これ

などなど.

 

どちらの推定値の方が正しいか....といわれると,正直わかりません.

今回の手法は,推定パラメータをδだけシフトさせ,残りのパラメータを推定する,という結構面倒な方式です.

さらに,δの値により推定値が変化してしまうことがあります(特に指数,検証していないけど対数も).

また,δの値を変えても,Rなどのソフトの推定値に漸近していく傾向もありません

なので,まだ検証していない行列を用いた方が計算量,安定性は高いのかもしれません

ただ,今まで雲をつかむような状態であった非線形回帰がだいぶ身近になってきました...

 

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